ゲーム本編では語り尽くせなかった2匹の生態的リアリティを鮮烈に補完したのが、2014年7月に公開された劇場版『ポケモン・ザ・ムービーXY 破壊の繭とディアンシー』でした。本作において、両者の関係は単なる生物学的変異を超えた「社会構造」として描かれています。
舞台となった地下深くの「ダイヤモンド鉱国」では、無数のメレシーたちが暮らすコミュニティの頂点に、国のエネルギー源である「聖なるダイヤ」を生み出す唯一無二の存在としてディアンシーが君臨していました。作中ではダイイ、メアリ、ボロット、ナイトといった個性豊かなメレシーの執事・長老たちが登場し、姫であるディアンシーを命がけで守護・補佐する姿が丹念に描写されています。
メレシーの図鑑説明を紐解くと、「地下深くの高温高圧に耐え、何億年も眠り続ける」といった過酷な環境耐性が記されています。地底の奥深くで悠久の時を過ごす無数のメレシーたちの群れの中から、炭素を瞬時にダイヤへと凝縮させる奇跡の変異個体として数百年あるいは数千年に一度誕生するのがディアンシーである――。映画のプロットは、昆虫における「女王蜂」と「働き蜂」のような特異な生態系を想起させ、ファンに強い説得力を与えました。