「コーンポタージュを一から本格的に作ろうとすると、ミキサーやハンドブレンダーの後片付けが億劫になる」という声は少なくありません。しかし、専門器具を持っていなくても、厨房の知恵を借りれば滑らかな口当たりは十分に作り出せます。
手元にミキサーがない場合、ミキサーなしで簡単な裏技として重宝するのが、100円ショップでも手に入る「目の細かい金ザル」と「深底のお玉」を活用する手法です。コーンクリーム缶は製造段階で細かく粉砕されているため、炒めた玉ねぎと共にザルにあけ、お玉の背で円を描くようにギュッと押し付けるだけで、繊維質が綺麗に分離されて驚くほど滑らかな舌触りになります。
さらにワンランク上の舌触りを目指すなら、ホテル風コーンポタージュ再現レシピの核心である「シノワ(円錐形スープ漉し器)の技法」を家庭に応用します。ザルで濾過した後のペーストを弱火にかけ、牛乳を加えたあとに仕上げの段階でもう一度だけザルを通す「2度漉し」を行うのです。この作業により、牛乳の脂肪分とペーストが完全に一体化し、シルクのように滑らかな喉越しが約束されます。
一方で、夏場に旬を迎える生のとうもろこしを使う本格レシピに挑戦する場合は、絶対に捨ててはならないパーツがあります。それは「とうもろこしの芯」です。
実を包丁で削ぎ落とした後の芯には、果肉以上のグルタミン酸と天然の糖分が凝縮されています。実をバターで炒めた後、ひたひたの水と芯を一緒に鍋に入れ、弱火で約15分コトコト煮出してみてください。芯から黄金色の出汁が抽出され、缶詰では決して出せない野趣あふれる香りと澄んだ甘みがスープ全体に広がります。実を粗めにつぶせば粒々食感が残り、丁寧に裏漉しすれば老舗ホテルのスペシャリテに匹敵する一杯が完成します。