離婚の際、最も世間の関心を集めたのが長男の親権の行方でした。通常、日本の離婚調停では母親が親権を持つケースが多い中、このケースでは父親である辻仁成さんが親権を持ちました。
この決断の背景には、当時10歳だった息子の生活環境を優先する配慮がありました。フランス・パリで生まれ育ち、現地校に通っていた息子にとって、日本への急な環境の変化は学業面や精神面で過度な負担となる可能性が高かったためです。「息子のパリでの日常を壊さない」という合意のもと、辻仁成さんがシングルファザーとして息子を育て上げることとなりました。
2004年1月生まれの息子は、2026年現在で22歳の青年へと成長しています。辻さんのブログやエッセイ『父ちゃんの愛情ごはん』などでは、思春期の反抗期を乗り越え、大学生・社会人へと巣立っていく息子の様子が温かい筆致で綴られており、深い父子関係が伺えます。