高橋靖子さんの名を世界に轟かせた最大の出来事が、ロック界の巨星デヴィッド・ボウイとの仕事です。1971年、ロンドンで開催された日本人デザイナー・山本寛斎の鮮烈なファッションショーに感銘を受けたボウイ。翌1972年、写真家の鋤田正義さんとともにロンドンへ渡った高橋さんは、ボウイのステージに衝撃を受け、自らアプローチを敢行します。
ボウイの楽屋へ山本寛斎の衣装を持ち込み、その独創的なカブキ・テイストのジャンプスーツや袴風のコスチュームを提案した瞬間、歴史が動きました。ボウイは即座にその衣装に魅了され、名盤『ジギー・スターダスト』や『アラジン・セイン』ツアーを彩る伝説のステージ衣装が誕生することになります。東洋と西洋の美学を融合させた彼女の直感とコーディネート力は、ロックの視覚表現に革命をもたらしました。