多くのファンが「まだトップレベルで数年間プレーできる」と確信していた中での現役引退発表は、世界中に大きな衝撃を与えました。フェルマーレンが引退を決意した背景には、身体的な限界と指導者転身のタイミングが深く関係しています。
現役時代のフェルマーレンは、常に「怪我との闘い」を強いられてきました。特にアーセナル後期からバルセロナ時代にかけては、ハムストリングやアキレス腱の慢性的なトラブルに悩まされ、長期離脱を余儀なくされるシーズンが続きました。ピッチに立てば世界最高峰のパフォーマンスを発揮する一方で、過酷なフィジカルへの負荷は確実に蓄積していたのです。
ヴィッセル神戸に加入した2019年夏以降は、徹底したコンディション管理によって高い稼働率を維持。天皇杯JFA全日本サッカー選手権大会の初優勝やクラブ史上初となるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)ベスト4進出に大きく貢献しました。J1リーグで3位に入りACL出場権を獲得した2021年シーズンをもって、「余力を残した最高の状態」でピッチを去る美学を貫いた形です。引退会見でも「身体のサインと、代表スタッフというまたとない挑戦の機会が完璧に一致した」と語っており、後悔のない引き際を選択しました。