トゥルーレリジョンの歴史を振り返る上で避けて通れないのが、劇的な栄枯盛衰のドラマです。2002年にアメリカ・ロサンゼルスで設立された同ブランドは、1本あたり3万円〜5万円台という強気の価格設定ながら、極太の糸で縫い上げた独創的なステッチワークで「プレミアムデニム」という巨大市場を切り開きました。
しかし、2010年代に入ると市場環境が激変します。ミニマルなスキニーデニムの流行や「Zara」「H&M」といったファストファッションの台頭、さらにはアスレジャー(スポーツウェアの日常着化)ブームの直撃を受け、高価格帯デニムの需要は急減。過剰な出店戦略や重い負債が仇となり、ブランドは2017年7月と2020年4月の2度にわたり、米連邦破産法第11条(日本の民事再生法に相当)を申請することになりました。
多くのブランドがここで消滅の道を辿る中、トゥルーレリジョンは抜本的な構造改革を実行しました。不採算の実店舗を一斉に整理し、自社ECを中心としたデジタル直販(D2C)体制へと舵を切ったのです。さらに、過去の遺産であるアーカイブデザインを現代風に再解釈し、ストリートカルチャーとの親和性を前面に押し出すブランディングを展開。その結果、2020年代半ばには強固な黒字化基盤を築き上げ、2026年現在ではグローバルでの売上を力強く伸ばす奇跡の復活劇を成し遂げています。