なぜ根拠のないミノンシャンプー デマ 真相がこれほど長く生き残り、消費者の不安を刺激し続けるのでしょうか。ここには、現代日本のヘルスケア市場における社会心理学的構造が存在します。
第一に、「天然・無添加・オーガニック=絶対善」「化学合成物質・製薬会社製品=悪・危険」という二項対立の認知バイアスです。自然界の毒キノコや漆(うるし)が猛毒であるように、「天然由来だから安全」とは限らず、適切に精製・品質管理された合成成分のほうがアレルゲンが排除されており安全性が高い場合も多々あります。
第二に、皮膚科学における物理的事実の無視です。皮膚の最外層にある角質層は、外部からの異物侵入を強固に防ぐバリア機能を担っており、分子量が500以上の高分子化合物(界面活性剤など)は基本的に角質層を突破して血管内に入ることはできません。これを皮膚科学では「500ダルトンルール」と呼びます。頭皮からシャンプー成分が吸収されて内臓に溜まるという言説は、解剖生理学の基礎に反するファンタジーです。
不安を意図的に煽ることで、高額なサロン専売品や無添加を謳う高価格帯オーガニック商品を売り込もうとする「不安産業マーケティング」の罠に、消費者が巻き込まれている現実を冷静に見極める必要があります。