かつてインターネット上や旧来の育児慣習では、「卵アレルギーが怖いなら、1歳を過ぎるまで卵を一切あげない方が良い」という言説が一部で信じられていました。しかし、これは近年のアレルギー研究において完全に否定された危険な誤解です。
英国の二重盲検試験(LEAPスタディ)や国立成育医療研究センターの研究班が実施した臨床試験(PETITスタディ)をはじめとする世界的エビデンスにより、「皮膚炎(乳児湿疹)を適切に治療して肌のバリア機能を整えた上で、早期から微量の加熱卵を摂取させた方が、将来の卵アレルギー発症率を有意に低下させる」という事実が明らかになっています。
食物アレルゲンは、荒れた皮膚から体内に入ることで感作(アレルギー体質が作られること)されやすく、逆に腸管から適切に吸収されることで免疫寛容(アレルギー反応を起こさない状態)が誘導される仕組みが解明されています。肌がカサカサしていたり湿疹がある状態のまま卵白を試すのは逆効果ですが、皮膚を保湿・治療して健全に保ちつつ、適切な月齢(生後7〜8ヶ月頃)で微量からスタートすることが現代医学のスタンダードです。