『この世の果て』が鬱ドラマの金字塔と呼ばれる所以は、観る者の心を抉るような苛烈なシーンの連続にあります。
特に視聴者の間で語り草となっているのが、横山めぐみさん演じるルミが放つ狂気的な執着と冷酷な仕打ちです。まりあに対する精神的な追い込みや、士郎を自らの手元に縛り付けるための冷徹な罠は、当時の視聴者に強烈な恐怖を植え付けました。また、豊川悦司さん演じる征司がまりあを自らの支配下に置くために仕掛ける心理的拷問に近いアプローチも、圧倒的な迫力と重苦しさをもって描かれています。
さらに、士郎が禁断症状に苦しみながらピアノを弾く場面や、ななの純粋さを踏みにじるような理不尽な悪意の連鎖など、善意や純愛がことごとく踏みにじられる展開が連続しました。放送当時は「あまりにも救いがなさすぎる」「観ているだけで胸が苦しくなる」といった苦情や悲鳴が局に寄せられる一方で、人間の暗部を容赦なく描く圧倒的な筆力とキャスト陣の鬼気迫る演技力に対して、熱狂的な支持と高い評価が集まりました。