朝ドラ視聴率推移まとめを考察する際、見逃せないのが「世帯視聴率」から「個人視聴率・コア層(13〜49歳の男女層)」への評価基準の劇的なシフトです。かつては20%を超えなければ失敗と騒がれましたが、現代のテレビ視聴環境において世帯20%という数字は極めて稀有な水準となりました。
テレビ局各社およびNHKが現在最も注視しているのは、家族全員をひとまとめにした世帯の数値ではなく、「どの層の個人が実際に画面の前に座っていたか」という個人視聴率です。朝ドラの主たる視聴者層は依然としてM3・F3(50歳以上の男女)が大きな割合を占めますが、番組の存続と将来的な公共メディアとしての価値を維持するためには、いわゆるコア層の獲得が至上命題となっています。
さらに現在では、NHKプラスやTVerなどの見逃し配信における再生回数、録画によるタイムシフト視聴率が指標として定着しています。「リアルタイムの世帯視聴率は15%前後にとどまるものの、配信再生回数では過去最高を記録している」というケースは珍しくありません。かつてのように「世帯視聴率の数字ひとつで打ち切りや戦犯探しをする時代」は完全に終焉を迎えています。