「油で揚げない唐揚げは、パサパサして皮がベチャッとする」。そんな古い常識を根本から覆す最新テクニックを、調理科学の専門家とプロの料理人への独自取材で突き止めた。家庭にあるトースターやフライパンを使い、まるで専門店の揚げたてのようなカリッとジューシーな食感を実現する極秘の裏ワザが存在する。
鍵を握るのは「肉の脂の自給自足」と「下味の保水力」だ。鶏もも肉の皮目を下にしてフライパンに並べ、冷たい状態から弱火でじっくり熱を通す「コールドスタート」を実践すると、鶏皮から大量の上質な脂が溶け出す。その自身の脂で皮を揚げ焼き状態にするのだ。余分な脂をキッチンペーパーでこまめに拭き取ることで、表面温度が急上昇し、驚くほど軽やかなクリスピー感が生まれる。
オーブントースターを使うなら、シワを寄せて山折りにしたアルミホイルを天板に敷くのがプロの鉄則だ。ホイルの溝に落ちた脂が肉に再付着するのを防ぎ、下部からの熱風を対流させる。さらに、下味の段階で味の素株式会社が誇る「うま味調味料」をほんのひと振り加える。グルタミン酸の働きによって肉の保水性が劇的に向上し、トースターの高温でも肉汁が外へ逃げず、噛んだ瞬間に肉汁が溢れ出す仕上がりになる。