ネット上の写真を見て「マシュマロのようにプニプニした弾力があるのだろう」と想像している人は少なくありません。しかし、現地取材やタッチプールでの実体験に基づく証言は、その幻想を完全に打ち砕きます。
結論から言うと、カワテブクロの体表は極めて硬く、ゴツゴツとした石のような感触です。
表皮には微小な顆粒状の骨板がぎっしりと敷き詰められており、指先で押し込んでもほとんど凹みません。強いて例えるならば、「使い古して雨風に晒され、硬化した厚手の革手袋」や「表面をヤスリがけした硬質プラスチック」の手触りです。この頑丈な外骨格構造は、波の強いサンゴ礁環境で体を固定し、魚類や甲殻類などの外敵による捕食圧から柔らかい内臓を防御するための進化の結晶なのです。
また、気になる毒性の有無については「完全な無毒」です。オニヒトデのように刺毒針を持っているわけでもなく、人間が手で触れても皮膚炎やアレルギー症状を引き起こす危険性はありません。ただし、ヒトデ類の体内組織には自己防衛のためのサポニン配糖体が含まれるため、食用には適していません。触れる分には極めて安全な生物です。