ネット上の口コミやSNSでは、「パリジェンヌ風をオーダーしたら単なる手入れ不足のボサボサ髪になった」「朝起きて何もしないでいいわけではなかった」という失敗談も散見されます。ここには、フレンチスタイル特有の大きな誤解が存在します。
パリジェンヌの「無造作」とは、「放置」ではなく「計算された無秩序」です。カット段階で毛量調整(セニング)を闇雲に行い、毛先を軽くしすぎてしまうと、日本の湿気や硬い髪質ではまとまりを失い、単なる枝毛のような質感になってしまいます。
ベースのカットラインにはしっかりとした厚みを持たせ、毛束の内側を間引くようにスライドカットを施すことで初めて、動いたときにだけ隙間ができる「本物の抜け感」が生まれます。カット技術の精度が極めてシビアに問われるスタイルであることを認識しておく必要があります。