2022年8月27日、午後7時30分。カウントダウンの声が淀川の両岸に響き渡ると同時に、一瞬の静寂が訪れた。直後、夜空を突き破るように開いた大輪の金菊。ドーンという重低音が遅れて肚(はら)に響く。拍手と歓声、そして思わず漏れた感極まる溜め息が、河川敷の風に乗って流れていった。
圧巻は終盤の水中スターマインだ。水面すれすれで炸裂する光の半球体と、上空へ駆け昇る尺玉の乱れ打ち。梅田のビル群のシルエットが漆黒の闇に浮かび上がる光景は、まさに「水の都・大阪」の真骨頂だった。あの日、現場にいた40代の男性はこう振り返る。「テレビで観るのとはわけが違う。爆風のような音圧を皮膚で感じた瞬間、涙が出そうになった。大阪に夏が帰ってきたんだと直感した」