「あの人は生まれつき心臓に毛が生えている」などとよく言われるが、最新の脳科学はその常識を覆しつつある。動じない心、すなわち「据わった肝」の正体は、脳内の特定のネットワークの働きによるものだ。
鍵を握るのは、恐怖や不安を司る「扁桃体」と、論理的思考や感情のコントロールを司る「前頭葉」のバランスである。ストレスを感じた瞬間に扁桃体が暴走するのを、前頭葉がどれだけ素早く、かつ的確に制御できるか。この回路の強さこそが、プレッシャー下での冷静さを決定づけている。そしてこの回路は、筋トレのように後天的に鍛えることが可能だという研究結果が相次いで発表されている。