2001年のメジャーデビュージングル「STEPPER'S DELIGHT」から「楽園ベイベー」「FUNKASTIC」に至るまで、RIP SLYMEが放ったヒット曲の数々は、当時の日本の音楽シーンにおける「ヒップホップ=アングラ・コア」という固定観念を軽やかに打ち破った。疾走感あふれるトラックの上で、個性豊かなMC陣がマイクをリレーするスタイルは瞬く間に時代を席巻した。
その中でも、SUの存在感は特別だった。元ダンサーというキャリアに裏打ちされたしなやかなリズム感と、低く響くハスキーなボイス。高音で言葉を畳みかける他のメンバーとのコントラストを生み出し、曲全体に大人びた色気とグルーヴ感をもたらすアンカーの役割を果たしていた。彼のリリックと声は、J-POPにおける「魅せるラップ」のひとつの完成形だったと言える。