陽水氏が直感で選んだとはいえ、モチーフとなった「アザミ」が持つ背景は、楽曲の持つ切なさと見事な調和を見せています。
アザミ全般の花言葉には、「独立」「触れないで」「孤独」「安心」などがあります。美しい花冠の周囲に鋭いトゲを持つアザミの生態に由来する花言葉ですが、これは大人へと成長していく過程で誰もが経験する、傷つきやすく繊細な少年期の心象風景と見事に重なり合います。
無邪気だった夏の日が過ぎ去り、少しずつ大人びた孤独や寂しさを覚え始める季節の変わり目。「風あざみ」という言葉には、触れれば消えてしまいそうな少年の日の記憶と、二度と戻らない時間への哀愁が、無意識のうちに宿っていると解釈できます。