シリーズの節目を飾る『能面検事の奮闘』をはじめ、本作を刊行する宝島社の文庫戦略は、エンターテインメント小説の新たな地平を切り拓いた。従来の固い法廷劇の枠組みを打ち破り、エンタメ性と本格派ミステリーの緊張感を高次元で融合させている。
現代の読者が求めるスピーディーな展開と、専門的な法知識に基づくリアリティ。この二つを両立させたリーガル・サスペンスの金字塔として、本作はジャンル全体の底上げに大きく貢献した。組織の論理に屈しない主人公のブレない生き様は、現代社会で戦うビジネスパーソンの共感をも集めている。