静寂が支配する画面の端から、一人の男が滑り込むように現れた。衣装こそ雅やかな装いだが、目線の配り方と独特の身のこなしには見覚えがありすぎる。大河ドラマ『光る君へ』の劇中、一瞬の緊張が走る場面で見せた素早い動き。視聴者が息をのんだのは、それが単なるバラエティのノリではなく、作品の空気に異様なリアリティを与えていたからだ。
画面に映し出された瞬間、テレビの前では「嘘だろ?」「まさか本人か?」という声援に似た叫びが上がった。雅な都の人間模様を描く平安時代劇において、型破りなアクションの匂いを漂わせる存在は、既存の時代劇ファンにとっても新鮮な驚きとなったのだ。