関係者への取材から見えてきたのは、彼女自身の服に対する深い洞察力と意志の強さだ。所属事務所であるフラームのスタッフや、長年タッグを組むスタイリストとの打ち合わせにおいて、彼女は単に「提案された服を着る」のではなく、イベントの趣旨や演じるキャラクター、その日の自身の心境にフィットするかどうかを徹底的に吟味するという。
「着る人に服が負けてもいけないし、服に着られてしまってもいけない」という彼女独自の美学。身体のラインを美しく見せるカッティングの良さや、着心地の良さを重視しながらも、どこかにひとつ「主張のあるディテール」を取り入れるのが戸田流だ。シックなジャケットの袖を少し捲り上げて手首の華奢さを強調したり、ミニマルなドレスに大ぶりのジュエリーを一点だけ合わせる手法など、細部に宿る計算されたディテールが大人の余裕を生み出している。