そもそも、木嶋佳苗が問われた首都圏連続不審死事件とは何だったのか。婚活サイトを舞台に複数の男性から莫大な資金を騙し取り、練炭による一酸化炭素中毒で命を奪ったとされる一連の事件は、日本の司法・刑事裁判史上に残る重大犯罪である。直接証拠が乏しい中、状況証拠の積み重ねによって死刑が確定した経緯は、裁判員裁判の難しさと厳粛さを改めて知らしめた。
最高裁判所で判決が確定した後も、彼女は一切の罪を認めることなく、自身の正当性を主張し続けている。法廷で見せた傍若無人とも言える態度と、男たちに見せる甘美な態度のギャップは、事件から十数年が経過した今もなお、多くの法曹関係者や心理学者を困惑させ続けている。