今年の会場で最も注目を集めているのが、破砕された不要陶器を再利用した「Re:ARITA」プロジェクトの特設エリアだ。従来の有田焼といえば、濁りのない透き通るような白磁が命とされてきた。しかし、ここでは微小な陶片が斑点のように残る独特の風合いが、逆に「世界に一つだけの表情」として若い世代を惹きつけている。
「失敗作や廃棄されるはずだった素地をどう生かすか。そこに本当の技術が問われる時代になった」。そう語る老舗窯元の職人の表情は明るい。原料の高騰や環境意識の高まりを背景に生まれたこの試みは、陶器市の風景を根底から塗り替えようとしている。