まだ街が眠りにつく薄暗い時間帯から、店舗の前には暖簾が上がるのを待つ人々の姿がある。作業服を着た市場のトラック運転手、出勤前の地元ビジネスマン、そして大きなスーツケースを引いた国内外からの旅行者たちだ。
カウンター越しに飛び交う威勢の良い注文と、出来立ての汁物から立ち上る湯気。隣り合った見知らぬ同士が「今日のブリは最高だね」と笑顔を交わす空間には、現代の都市生活で薄れつつある人間味あふれる温もりが満ちている。単に食事をする場所を超え、朝の活気をチャージするエネルギースポットとしての役割を果たしている。