大会で頂点に立ったからといって、全員が一様に同じタレント街道を歩むわけではありません。『THE W』の優勝特典である日本テレビ系番組への多数の出演権(通称・日テレ特番ジャック)を消化したあと、各組の歩む道には極めて鮮烈なコントラストが生まれています。
象徴的な例が、2019年覇者の3時のヒロインです。優勝直後から圧倒的なトーク力とバラエティ適性を誇るリーダーの福田麻貴が番組MCやドラマ出演、コメンテーターとして確固たる地位を築きました。一方のかなでは持ち前のキャラクターと卓越した演技力で舞台やバラエティの定番ゲストとして定着。ゆめっちは体調不良による一時休養を挟みながらも独自の美容・ファッション分野で自己表現を確立しました。この歩みはネット上で一時「露出の格差」として騒がれましたが、結果としてそれぞれの強みを別個のフィールドで活かす「トリオの新しい生存モデル」を作り上げた好例です。
対照的に、メディアの露出競争から距離を置き、劇場の舞台や単独ライブに全力を注ぐ道を選んだ職人たちもいます。2021年覇者のオダウエダや2024年にフリーで戴冠したにぼしいわしは、雛壇トークで爪痕を残すことよりも、独自のシュールな世界観を純化させる単独公演やライブシーンの牽引役として強烈な支持を集めています。
テレビバラエティのメインストリームへ駆け上がる「タレント型ブレイク」か、チケット即完を誇る単独ライブで演芸の極致を追求する「職人型リスペクト」か。優勝という称号を手にしたあとの岐路は、女性芸人という枠組みが多様化・成熟化したことの何よりの証明です。