「もし自分に障害のある弟がいると打ち明けた時、相手やその家族はどんな顔をするだろうか」——結婚適齢期を迎えたきょうだい児の胸を締め付けるのは、婚約者からの拒絶や、将来的な介護負担を相手に強いでしまうことへの強い恐怖心だ。家族の中で長年「私がしっかりしなければ」と自分を抑圧してきた当事者ほど、自らの幸せを追求することに罪悪感を覚えてしまう。
実家からの精神的・物理的な自立を試みようとしても、「家を見捨てるのか」という親からの無言のプレッシャーに晒されたり、兄弟姉妹の将来のケアプランが不透明なまま放置されていたりするケースも目立つ。結果として、相手に自分のバックグラウンドを明かす前に交際を自ら解消してしまうなど、深い孤立状態に陥る当事者は少なくない。