投資初心者が最も陥りやすい落とし穴が、スクリーニングツールで上位に出てくる「利回り8〜10%超」の個別銘柄に集中投資してしまうパターンです。株式市場において、異常に高い利回りが放置されているケースの大半は、業績悪化によって株価が急落した結果、見かけ上の利回りが跳ね上がっているに過ぎません。
事業の収益基盤が揺らいでいる企業は、やがて持ちこたえられなくなり「減配(配当金の減額)」や「無配転落」を発表します。減配が公表された瞬間、配当目当ての資金が一斉に流出し、株価はさらに暴落します。インカムを狙ったはずが、元本の大半を失うという典型的な失敗シナリオです。
こうした「罠銘柄」を回避するために、投資の現場では以下の3つの基準が厳格にチェックされています。
第一に配当性向の健全性です。純利益のうち何%を配当に回しているかを示す指標ですが、これが70〜80%を超えている企業は余力が乏しく、一時的な景気後退で減配に追い込まれるリスクを孕んでいます。フリーキャッシュフローベースで無理のない還元を行っているかどうかの確認が欠かせません。
第二に過去5〜10年のEPS(1株当たり純利益)成長率です。配当の原資となる利益そのものが右肩上がりで伸びていなければ、配当の維持は不可能です。タコ足配当(資産を取り崩して配当を出す状態)に陥っていないかを見極める必要があります。
第三に連続増配年数の実績です。リーマンショックやコロナショックといった歴史的な経済危機を乗り越え、それでも配当を増やし続けてきた企業は、強固な参入障壁や価格決定力(モート)を有している証左といえます。