空調設備のメンテナンス現場における調査データによると、室内機からの水漏れトラブルは特定の構造箇所に集中しています。冷房運転時のエアコンは、内部の熱交換器(アルミフィン)で空気を急激に冷やすため、大量の結露水が発生します。この水が正常に屋外へ排出されないことが水漏れの直接的なメカニズムです。
具体的にどのようなトラブルが発生しているのか、現場で頻発している5大要因を紐解きます。
第一に最も多いのが、ドレンホースの詰まりです。結露水を集めて室外へ流す細い排水ホースの中に、空気中のハウスダスト、エアコン内部の黒カビ、さらには屋外のホース出口から侵入したクモやゴキブリなどの害虫、土埃が蓄積し、水の通り道を塞いでしまいます。出口を失った水は逆流し、室内機の受け皿から溢れ出します。
第二は、ドレンパンの汚れ・ヘドロ化です。熱交換器の下にある結露水の受け皿(ドレンパン)に長年蓄積したホコリやカビがゼリー状のバイオフィルム(スライム状のヘドロ)を形成し、排水口を直前で塞いでしまう現象です。
第三に、エアコンフィルター掃除手順を怠ったことによる極端なホコリ詰まりです。吸気風量が著しく低下すると、熱交換器が過冷却状態に陥って氷結します。その氷が溶ける際、ドレンパンの処理能力を超える大量の水が一気に流れ出して漏水を引き起こします。これが、送風口から水が飛んでくる理由としても非常に多いパターンです。
第四は、本体の傾きや据付不良です。地震の揺れや経年劣化、DIYによる無理な設置によって室内機がドレン配管と逆方向にわずかでも傾くと、水が排水口へ流れずに反対側の端からポタポタと滴り落ちます。
第五は、冷媒ガスの不足・ガス漏れです。配管の腐食や接続部の緩みでガスが抜けると、熱交換器の一部だけが異常凍結し、偏った場所から想定外の結露水が滴下します。この場合は機械内部の密閉系統の故障であるため、専門業者による溶接・再充填が必須となります。