資格を取得することで給与や待遇は実際に向上するのか。業界の給与統計や現場の採用動向を検証すると、資格と収入のリアルな相関関係が見えてきます。
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」や各種転職サービスが公開するデータによると、Webデザイナーの平均年収は約400万〜480万円前後で推移しています。多くのIT・制作会社において「Webデザイン資格の保有に対する固定手当(月額1万〜2万円など)」を設けているケースは決して多くありません。つまり、資格を取った瞬間に基本給が自動的に跳ね上がるという構図は稀です。
では、Webデザイン資格と年収の真相における実質的なメリットはどこにあるのでしょうか。制作会社の役員や人事担当者へのヒアリングでは、次のような選考の実態が浮き彫りになっています。
「未経験からの応募者の場合、提出されたポートフォリオが本当に本人の実力で作られたものか、テンプレートを当てはめただけかを見極めるのは容易ではありません。その点、ウェブデザイン技能検定2級やHTML5プロフェッショナル認定試験などの合格歴が履歴書にあれば、少なくとも独力で基礎文法を理解し、主体的に学ぶ学習意欲があることの客観的エビデンスになります。同等レベルのポートフォリオで並んだ際、資格保持者を書類通過・内定とするケースは珍しくありません」(都内Webプロダクション採用責任者)
副業市場においても同様です。クラウドソーシング等で実績ゼロの初心者が提案文を送る際、「アドビ公認資格保有」「国家検定3級合格」といった明瞭な肩書をプロフィールに記載することで、クライアントの警戒心を解き、初期の受注率(案件獲得単価)を底上げする強力なフックとして機能します。