過酷を極めた闘病生活において、最大の防波堤となったのが家族の存在でした。渡瀬マキは1997年、LINDBERGのギタリストである平川達也と結婚。バンドメンバー同士の結婚として当時大きな話題を呼びましたが、結婚生活は30年近くにおよび、芸能界きってのおしどり夫婦として知られています。
音楽のパートナーであり人生の伴侶でもある平川達也は、渡瀬が声を出せずに苛立ちや悲嘆に暮れていた時期も、決して無理に励ますことなく、隣で静かに見守り続けました。ライブのリハーサルでも渡瀬の喉の状態を誰よりも敏感に察知し、ギターのキーアレンジを柔軟に変更するなど、音楽的・精神的両面で妻を徹底的に支え抜いたことが関係者の証言で明らかになっています。
また、2人の間には1999年に誕生した長男と、2003年に誕生した長女がいます。2026年現在、子供たちはすでに20代中盤から後半へと成長し、立派に自立を果たしています。思春期から青年期にかけて母親の過酷な闘病を間近で見てきた子供たちは、母親を気遣い、家庭内を常に笑いの絶えない明るい空間に保つことで、彼女のメンタルヘルスを大きく支えました。
渡瀬自身もSNS等で子供たちとの距離感について触れることがあり、互いに干渉しすぎず、一人の大人として尊重し合う風通しの良い関係性を築いていることがうかがえます。「母であり、妻であり、ロックシンガーである」という多面的な役割を無理なく両立できている背景には、平川達也をはじめとする家族全員の深い理解と協力が存在しています。