ウルトラビーストが従来のポケモンと決定的に異なるのは、その「生理的嫌悪感や異質さを意図的に組み込んだデザイン哲学」にあります。開発陣のインタビューや設定資料集によると、従来の「愛らしさ」「生物としての親しみやすさ」をあえて解体し、「未確認飛行物体(UFO)」「侵略的外来種」「幾何学模様」「人工物と生物の融合」をコンセプトに据えて制作されました。
例えば、コードネーム「UB01: PARASITE」ことウツロイドは、クラゲのような透明感と少女(リーリエ)を想起させるフォルムを併せ持ち、神経毒で他者を操るという極めて不気味な生態を持ちます。また、マッシブーン(UB02: EXPANSION)は蚊と過度な筋肉美の融合、フェローチェ(UB02: BEAUTY)はゴキブリを極限まで美化・抽象化したデザインとされており、生物学的なタブーや恐怖感をあえて刺激する構造になっています。
テレビアニメ『サン&ムーン』におけるウルトラビーストの扱いも非常に象徴的でした。アローラ地方の平穏を脅かす「災害」や「理解不能な異邦人」として描かれ、サトシたちが「ウルトラガーディアンズ」を結成して捕獲・元の世界へ帰還(送還)させるレスキュー作戦形式が取られました。単に倒して仲間にするのではなく、「本来この世界にいてはならない存在」として描かれたことが、良くも悪くもファンに強烈な異物感を植え付ける結果となったのです。