赤飯の見た目を大きく左右するのが豆の美しさだ。関東をはじめとする多くの地域では、皮が破れにくく「切腹」を連想させないささげ(大角豆)が好まれ、関西などではふくよかな香りの小豆が親しまれてきた。どちらを使うにせよ、豆を煮崩れさせず、えぐみを取り除く「渋抜き」の工程が味の決め手となる。
劇的においしく仕上げる裏技は、沸騰後の急冷と空気の接触にある。豆を一度強火で煮立ててアクを捨てたら、新しい水でごく弱火で煮る。指でつまんで少し芯が残る程度で火を止め、煮汁をすくい上げて空気に触れさせながら戻す「色出し」を行うのだ。この酸素供給によって、豆から溶け出したアントシアニンが鮮やかに発色し、もち米を上品な桜色へと染め上げる。