荒々しいアクションの直後、彼が選んだ道は真逆の方向だった。テレビ東京系ドラマ『クールドジ男子』で演じた一倉颯は、クールな佇まいの裏でドジをやらかし、心の中で激しく恥じらう等身大の大学生だ。
強烈なカリスマ性をあえて封印し、誰もが抱える日常の不器用さを繊細な目の動きや微小な間で表現した手腕は見事だった。青春ドラマというジャンルにおいて、派手な演出に頼らず日常の機微を描き出すのは極めて難しい。このギャップに驚かされた視聴者は少なくない。表現者としてのレンジの広さは、すでに同世代の俳優陣の中でも頭ひとつ抜け出ている。