「手縫いがうまくいかない原因の半分は、布と針と糸のミスマッチにある」。そう話すのは、全国展開する大型手芸用品店ユザワヤのベテランスタッフだ。縫い針売り場には、太さや長さの異なる無数の針が並ぶ。薄手のローン地には細く鋭利な針を、厚手の帆布やデニムには太く腰の強い針を選ばなければ、布地を傷めるか針を曲げる結末が待っている。
NHKの人気番組『すてきにハンドメイド』でも度々特集されるように、手縫い専用糸の存在も無視できない。ミシン糸をそのまま手縫いに流用すると、作業中に糸がよじれてダマになり、イライラの原因になりやすい。手縫い糸は撚り(より)の方向が手縫い用に設計されており、滑らかに布を通り抜ける。わずか数百円の道具への投資を惜しまないことが、仕上がりのクオリティを劇的に引き上げる。