かつて神秘性を徹底して守り抜いていたローランドが、なぜ素顔やすっぴんを隠さず、ありのままの表情を見せるようになったのでしょうか。その背景には、単なる気まぐれではなく、綿密な自己変革と経営者としての覚悟が存在します。
ホスト現役時代、彼にとってサングラスは「日常を忘れさせ、夢を買ってもらうための舞台衣装」であり、自分自身を守る精神的な鎧でもありました。現実離れした完璧な王子様であり続けることが、歌舞伎町でNo.1を張り続ける絶対条件だったからです。しかし、現役引退を経てメンズ脱毛サロン、ヘアオイルやアパレル事業、飲食ビジネスなどを多角展開する経営者となった今、求められる資質は「非日常のファンタジー」ではなく「顧客や従業員との真摯な信頼関係」へとシフトしました。
自著や各種インタビューのなかで、本人は「昔は弱みを見せることが怖くて、鎧でガチガチに固めていた。でも本当の強さとは、自分の弱さやすっぴんの不完全ささえも笑って受け入れられること」といった主旨の述懐を残しています。鎧を脱ぎ捨て、飾らない素顔で部下を叱咤激励し、事業のトラブルにも逃げずに向き合う姿勢こそが、彼が顔出しを恐れなくなった最大の理由です。