彼女の激動のキャリアを語る上で、避けて通れない最大の転換点が2009年6月の出来事です。専属事務所の解雇、そして法的なトラブルによる逮捕という芸能人として絶望的な状況のなか、彼女が再起の場として選んだのは、東京・浅草の老舗ストリップ劇場浅草ロック座のステージでした。
当時、元トップアイドルがストリップの舞台に立つという前代未聞のニュースは、ワイドショーを連日ジャックしました。開館前には劇場の周囲を幾重にも取り囲む大行列ができ、通常の観客層だけでなく、若い女性客やサブカルチャーを愛好する文化人までが浅草へ押し寄せる社会現象へと発展したのです。現場のチケットは即日完売が続き、入場規制が敷かれるほどの熱狂ぶりでした。
当時の舞台を現場で目撃したファンの証言や、当時の劇場関係者の記録を検証すると、観客が圧倒されたのは単なる露出ではありませんでした。照明を浴びて現れた彼女は、かつての華奢なアイドルではなく、感情を剥き出しにして踊る一人の「生身の表現者」だったのです。涙を流しながら舞うその姿に、客席からは割れんばかりの拍手が送られ、ストリップという大衆芸能の歴史そのものを塗り替える伝説の夜となりました。