高崎市内の温泉と聞いて、単一の泉質をイメージするなら大きな誤解だ。このエリアの面白さは、地質構造の複雑さがもたらす温泉の圧倒的な多様性にある。
市内北部の倉渕地区や榛名山麓では、無色透明で肌あたりの柔らかいアルカリ性単純温泉が湧出する。一方、市街地近くの深層から汲み上げられる源泉には、鉄分や塩分を豊富に含んだ茶褐色のナトリウム—塩化物・炭酸水素塩温泉が目立つ。湯上がりに肌が驚くほどしっとりとし、身体の芯から温かさが持続する保温効果は、一度体験すると病みつきになる。単なる癒やしにとどまらない、本格的な湯治効果を実感できるのが特徴だ。