彼のキャリアを語る上で絶対に外せないのが、1995年に公開された映画『Love Letter』である。岩井俊二監督が描いた繊細で美しく、どこか切ない映像世界の中で、彼が見せた演技はまさに衝撃的だった。雪景色の中に佇む図書室の少年・藤井樹の姿は、観客の心に鮮烈な焼きつきを残した。
この作品は日本映画界における金字塔となり、彼自身も日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。言葉数が少ない役柄でありながら、視線や微妙な佇まいだけで感情を表現する圧倒的な感性は、岩井俊二監督の美学と完璧にシンクロしていた。スクリーンに映し出された一瞬一瞬が、彼の俳優としての評価を決定づけたと言っても過言ではない。