タトゥーをめぐる社会の空気は、この数年で確実に変わり始めた。その大きな契機となったのが、施術行為は医師法違反にあたらないとした最高裁判所タトゥー医師法判決だ。司法の判断を経て、アングラな存在と見なされがちだったボディアート産業は、健全な技術革新と透明性を獲得する道へと踏み出した。
業界の自浄作用と衛生水準の向上を推進する日本タトゥーイスト協会などの取り組みも手伝い、施術環境への信頼は格段に高まっている。東京や大阪を拠点に世界中から顧客を集めるThree Tides Tattooのような先鋭的なスタジオでも、ファーストタトゥーとして愛犬の絵柄を依頼する利用客が後を絶たないという。アンダーグラウンドの象徴から、個人の内面や家族愛を投影する工芸的な表現へ。人々の意識は確実にアップデートされている。