深夜2時、キー局の会議室には重苦しい沈黙が立ち込めていた。翌週に控えていた主演ドラマの第1話放送を目前にして飛び込んできたスキャンダルの第一報。関係各所への事実確認が進むにつれ、幹部たちの顔からは完全に血の気が引いていったという。
「記事が出るという確証が取れた数時間後には、スポンサー企業から即座に問い合わせが入りました。協議の余地などありません。ブランドイメージを何よりも重んじるクライアントの手前、放送続行の選択肢は最初から存在しなかったのです」
そう声を絞り出す民放関係者の言葉通り、現場では徹夜で代役探しと撮り直しのシミュレーションが強行された。すでに収録済みだった数話分のフィルムはお蔵入りの危機に瀕し、共演者たちのスケジュール再調整に制作陣は奔走。積み上げられた台本が無残に破棄される現場の空気は、まさに惨状そのものだった。