グローバル市場を見渡すと、巨大ホテルチェーンによるブランドポートフォリオの再編が猛烈な勢いで進む。近代ホテルの父と称されるコンラッド・ヒルトンが築き上げた、世界中どこに行っても均一で安心なサービスを提供するという思想は、現代において「多層的なブランドの使い分け」へと昇華された。
その筆頭が世界最大の客室数を誇るマリオット・インターナショナルだ。傘下にラグジュアリーからセレクトサービスまで30以上の独立したブランドを抱え、出張需要には機動的なモクシーやコートヤード、記念日の滞在にはザ・リッツ・カールトンやエディションといった形で、旅人のあらゆるライフステージとシチュエーションを自社エコシステム内で完結させる。
外資系チェーンが強みを持つのは、世界共通のロイヤルティプログラムとダイナミックプライシングの精緻さだ。標準化された快適さを享受しつつ、会員ステータスに応じた客室アップグレードやレイトチェックアウトを狙う旅の手法は、頻繁に移動を繰り返すビジネスパーソンや旅行愛好家の定番戦略として定着している。