公立校ならではの武器となったのが、自治体から全生徒に配布されている学習用タブレットの存在だ。部員たちは練習後、対戦相手の投球フォームや打撃傾向のデータを自作のシートに入力し、クラウド上で共有。これを日課とした。
「相手投手のカウント別変化球割合」や「配球パターンの癖」を視覚化し、選手自らが配球を予測する。キャッチャーの指示を待つのではなく、打者一人ひとりが根拠を持って打席に立つ。結果として、強豪私立の140キロ超のストレートを狙い打ちにする「データ重視の打撃線」が完成した。指導者に頼り切る従来の高校野球から脱却した自主性こそが、勝負どころでの驚異的な粘り強さを生んでいる。