外食産業全体が健康志向やコスト削減、タイパ(タイムパフォーマンス)を模索する現代において、二郎系ラーメンの在り方は真逆のベクトルを突き進んでいる。塩分もカロリーも規格外。それでもなお、ビジネスパーソンや学生が長蛇の列を成すのはなぜか。
それは、この一杯が単なる食事ではなく「体験」だからだ。麺量300グラム超の炭水化物と濃厚な動物性油脂、そこに生ニンニクの強烈な辛味が合流したとき、日常のストレスや疲労は圧倒的な味覚の衝撃によって一瞬で吹き飛ぶ。コストパフォーマンスの高さもさることながら、完食した瞬間に訪れる独特の達成感と疲労感の混ざり合った余韻が、人々を再びあのカウンターへと引き戻す。