打ち放しコンクリートの冷徹な質感と、降り注ぐ自然光の温もり。世界的建築家・安藤忠雄が手掛けた北館と南館は、円形と矩形を巧みに組み合わせた重層的な構成を持つ。段々畑のような人工池に水が流れ落ち、スロープを登るにつれて視界が劇的に切り替わる。安藤建築の真骨頂とも言える回遊性の高さが、来館者を無意識のうちに知的な冒険へと誘う。
特筆すべきは、歴史的景観との精妙な呼応だ。敷地の随所から姫路城の天守が借景として計算され尽くしており、現代建築のガラス越しに望む白鷺城の姿は、息を呑むほど美しい。近年、国内外で注目を集める建築ツーリズムの愛好者たちが、この視覚の仕掛けを体感するために海を越えて訪れる理由も頷ける。