後年公開されたドキュメンタリー映画『尾崎豊を探して』の未公開ライブ映像を見れば、彼がいかに命を削りながら歌っていたかが嫌というほど伝わってくる。ステージの上で倒れ込み、マイクを握りしめて涙を流す姿。観客はその姿に熱狂し、彼を「教祖」に祭り上げた。
しかし、その偶像化こそが尾崎自身を追いつめていく。『15の夜』で描かれた少年の純粋な叫びは、メディアによって記号化され、消費されていった。大人たちと戦う若者のリーダーという重荷を背負わされた彼は、プライベートでも深い孤独の淵を歩み続けることになる。ステージを降りた後に見せる痛々しいほどの繊細さは、神格化されたカリスマ像とはかけ離れたものだった。