1970年代初頭、角栄がぶち上げた『日本列島改造論』は、地方の格差是正と国土の均衡ある発展を目指した壮大な国家デザインだった。新幹線や高速道路網を全国に張り巡らせるという構想は、当時の日本列島を熱狂の渦へと巻き込んだ。
「政策とは金だ。金の裏付けのない政策は、ただの戯言に過ぎん」。角栄のリアリズムは、財源確保と法制化への執念において極めて際立っていた。大蔵省をはじめとする官僚たちを「諸君は天下の秀才だ。その知恵を国家のために貸してくれ」と抱き込み、卓越した突破力で不可能を可能に変えていった自由民主党黄金期の原風景がそこにある。