近年、繊細な身体的表現を伴う撮影において不可欠な存在となったのがインティマシー・コーディネーターだ。今回の『愛と欲望の果て』の現場においても、専門のコーディネーターが企画段階から参画し、キャストの精神的・身体的な安全を確保するための事前セッションが綿密に行われていた。
かつての日本映画界では、現場の勢いや監督の一声で突発的な身体表現が要求されるケースも散見された。しかし、世界最高水準の制作体制を整える現代のクオリティドラマにおいて、そうした暗黙の了解はすでに過去のものだ。俳優が演技の意図を完全に理解し、合意のもとで表現に挑める環境づくりが、シーンのリアリティと圧倒的な緊張感を支えている。