かつて1990年代後半、テレビ東京系列で放映が始まったテレビアニメ『ポケットモンスター』は、一変して社会現象となった。主役であるサトシとピカチュウの冒険を裏で支え、時には主役以上の存在感を放っていたのが、悪の組織「ロケット団」の三人組だ。
赤い「R」の文字を胸に刻んだ彼らが登場するたび、画面越しに響き渡る名台詞。それは歌舞伎の外郎売や名乗り上げを彷彿とさせる、見事な七五調の韻律で構成されていた。「ラブリー・チャーミーな敵役」を自称する軽妙さと、古典芸能的な大見得の融合。これこそが、大人から子供までを一瞬で引きつける中毒性の源泉であった。