事件の末端で動いていたのは、スマートフォンの画面越しに集められたごく普通の若者たちだった。「ホワイト案件」「即日手渡し」といった甘い言葉に惹かれて応募した結果、身元保証と称して運転免許証の写真や家族の連絡先を握られ、脅迫されながら実行犯に仕立て上げられていく。
逮捕された20代の被告は取材に対し、「途中で辞めたいと言ったら『家族の家に行く』と脅された。自分たちが誰のために何をしているのか、全体の構造は何も知らされていなかった」と証言した。組織は末端の人間を完全に使い捨ての駒として扱い、警察の手が及ぶと即座に通信アカウントを削除して切り捨てていた。