結論から述べると、血尿を伴う膀胱炎が自然治癒することは基本的に期待できません。「以前、水をたくさん飲んで安静にしていたら治った」という体験談をネット上で見かけることがありますが、それは症状が一時的にマスキング(潜伏)しただけであり、体内に病原菌が残存しているケースが極めて多いのが実態です。
膀胱炎を放置、あるいは中途半端な対処で済ませようとした場合、以下のような決定的な2大リスクに直面します。
第一のリスクは、細菌が尿管を逆流して腎臓に到達する腎盂腎炎(じんうじんえん)への悪化です。膀胱炎は通常、発熱を伴いません。しかし、膀胱炎症状に加えて38度以上の高熱や悪寒、左右どちらかの背中・腰の叩打痛(叩くと響く激痛)が現れた場合は、感染が腎臓に波及した明確なサインです。腎盂腎炎は重症化すると敗血症を引き起こし、入院加療や点滴治療が必要となる危険な病態です。
第二のリスクは、慢性化と再発のループです。中途半端に生き残った細菌が膀胱内でバイオフィルムを形成すると、抗生物質が効きにくい慢性膀胱炎へと移行し、過労や冷えのたびに排尿痛や血尿を繰り返す体質に陥ってしまいます。