彼の原点を語る上で欠かせないのが、日本の文化史に打ち立てられた数々の金字塔だ。若き日に銀巴里でシャンソン歌手として一世を風靡した彼は、やがて文豪・三島由紀夫に見出され、名作『黒蜥蜴』で主演を務めた。その人間離れした美貌と圧倒的な演技力は、当時の演劇界に大激震をもたらした。
さらに寺山修司率いる『劇団天井棧敷』の旗揚げ公演『青森県のせむし男』への参加など、アヴァンギャルドな演劇運動の第一線で異彩を放ち続けた。単なるタレントの枠を超え、美学と表現の限界に挑み続けたその姿勢は、現在の芸能界においても追随を許さない孤高の存在として受け継がれている。